市販のスイッチング電源を覗く
お久しぶりです、ノグエレです。
今回は、市販のスイッチング電源を少しばかり見ていこうと思います。
電気界隈では、マジョカアイリスという女児向け玩具の解析が流行っていますが、私にはそこまでの技術力(魔法かも?)が備わっていないので、おとなしく電源を解析することにします。
(この記事は私のメモ的な扱いなので、文字は少なめです。ご了承下さい。)
今回扱うスイッチング電源
過去に自分が見てきた電源のほとんどはフライバックコンバータ回路だったので、今回はフォワードコンバータ回路を積んだ電源を扱っていこうと思います。
こちらが今回扱う、コーセルのLCA50S-12という12V 4.3A出力の50W型フォワードコンバータです。
縦50mm 横195mm 高さ25mm (実測値)と薄く、細長いです。
ボード型なので、汎用機器の電源として組み込むことができるようになっています。
入力/出力端子にはJST製のVHコネクタが付けられていました。
コーセルのボード型電源ではお馴染、入力部平滑コンデンサの側面に貼られたいつものシールです。交流100Vから120Vが入力電圧領域となっているので、日本国内で使用する分には問題ないでしょう。直流入力も可能のようです。
上から見た写真です。
左から入力フィルタ部、整流・平滑部、制御部と並んでおり、青いテープが巻かれたトランスはメインの絶縁トランスで、黄色いテープのは平滑リアクトル、その真ん中に二次整流用の大きなダイオードが寝ています。
見ての通り、ごく普通のフォワードコンバータの回路基板となっていました。
基板の裏面です。
今時の電源では使われていないものはないと言っても過言ではないほど使われている表面実装部品が、この電源には一切ありませんでした。先ほどの表面の写真からも分かる通り、チップ化可能な制御部の抵抗、コンデンサ、ICには全てリード部品がつかわれており、少しばかり時代を感じさせます。
なお、この電源の製造年は、コンデンサの製造年から推測するに2013年から2014年辺りだろうと思われます。私が小学校6年生くらいに作られたものが7年の時を経て私のもとにやってきたのか~と考えると感慨深いですね...笑
実際に動かしてみる
見てるだけじゃ面白くないので、通電させ、負荷もかけてみましょう。
実験環境はこんな感じです。
手前に今回の電源があり、奥にお手製の簡易電子負荷と、駆動させる為のスイッチング電源(多出力電源の記事にて紹介しています)があります。
コロナ禍で大学の設備も使わせてもらえない一般的な大学生の実験環境なので、あまり精度は良くありませんがご了承ください。
測定
電子負荷を用いて、電源に定格の50%の負荷をかけた時の状態を再現させ、上の回路で示した部分にオシロスコープのプローブを当てて、波形を表示させました。
以下は波形の写真を載せますので、参考程度にご覧ください。
(↑) Vgs (1目盛10V)とVds (1目盛100V)の波形
(↑) Vgs (1目盛2V)立ち上がりと、その時のVds (1目盛20V)の波形
(↑) Vgs (1目盛5V)立ち下がりと、その時のVds (1目盛50V)の波形
(↑) Vs (1目盛50V)とVc (1目盛50V)の波形
(↑) 出力のリプル測定 (1目盛10mV)
回路を起こしてみる
基板の配線をたどって、回路図を書きました。
回路図が見にくい時はこちら
https://twitter.com/EN_gelou/status/1347307148737302528?s=19
終わりに
今回得られたデータを参考にして、実際に同じようなフォワードコンバータ回路を製作してみようと思います。そうしたら自分の技術向上の糧となるでしょう。
ここまで読んで下さりありがとうございました。